結論から言うと
小説ごとにYazar.ioの本を1冊作り、物語で使うセクションだけを残して世界に合った名前に変え、登場人物を入力する前に各セクションのフィールドテンプレートを決めておきます。テンプレートを変えても既存の記録は変わらないからです。記録同士は名前か@を入力してリンクし、修正する前にはそのページのバックリンクパネルを確認し、年表の出来事は関わる人物や場所と結びつけます。秘密は、共有用のwikiに決して含まれない「メモ」に書き。「年表」は公開でき、初期状態ではオフです。本はBook Settings(本の設定)からMarkdownかJSONで書き出します。Yazar.ioが扱うのは物語の背景にある世界なので、原稿はWordかGoogleドキュメントに残ります。クイック検索は1冊の中だけで、無料プランは本2冊、エンティティの種類ごとに編集できる記録15件までです。「用語集」「年表」「メモ」「引用」は無制限です。Yazar.ioは、項目の説明、メモ、カスタムフィールドの値をAES-256-GCMで暗号化して保存します。
原稿はWordやGoogleドキュメントの中にあり、そのままで構いません。その横に必要なのは、執筆中に浮かぶ疑問に数秒で答えてくれる場所です。門の鍵を持っているのは誰か、市場は水路のどちら側にあるのか、堰が決壊したときEdricは何歳だったのか。Yazar.ioは、まさにこの役割分担のために作られています。小説の背後にある世界を整理し、文章はすでに使っているエディターに任せます(機能紹介)。
準備の順序には意味があります。たいていの選択は後から簡単に変えられますが、ひとつだけそうでないものがあるからです。このガイドでは、架空の単巻ファンタジー『The Fen Toll』を例に進めます。舞台は、高床の家と水門の町Sallow Fenです。Tamsin Veyは母Agatheの後を継いでWeir Gateの番をしています。弟のEdricはHale船長率いるReedwardensで船を動かしていて、Drowning Ledgerには、この湿地に負っている借りがすべて記録されています。
本を作り、セクションを選ぶ#
新しい本を作り、タイトルを付けてジャンルを選びます。最初にどのセクションが開くかはジャンルで決まります。たとえばファンタジーの本なら「種族」や「呪文」が提案され、「Other」(その他)のジャンルなら、すべてのセクションを自分で選べます(セクションに関するFAQ、アップデート情報)。先に完成した世界を見てみたい場合は、新しいアカウントにはどれも、閲覧専用のSample Book(サンプルの本)が用意されています(機能紹介)。
次に、余分なものを削ります。Book Settings(本の設定)のSections(セクション)で、使わないセクションを非表示にし、残りの順序を変えられます。セクションを非表示にしてもメニューから消えるだけで、記録は削除されません(名前の変更に関するFAQ)。Proでは本ごとにカスタムセクションを3つまで追加できます(アップデート情報)。Book Settings > Section Names(セクション名)で、既存のセクションの名前をこの本に限って変えられます。新しい名前はサイドバー、検索、フィールドのラベル、公開したwikiに表示され、記録とリンクはそのまま残ります(アップデート情報)。
| セクション | 『The Fen Toll』では | 理由 |
|---|---|---|
| 登場人物 | 残す | Tamsin、Agathe、Edric、Hale船長、船の乗組員たち |
| 場所 | 残す | Weir Gate、Stilt Market、外側の水路 |
| 組織 | 「番人とギルド」に名前を変える | Reedwardensと市場のギルド |
| 世界設定 | 「湿地の掟」に名前を変える | Drowning Ledgerと通行料の決まり |
| アイテム、用語集 | 残す | 門の鍵。「sluice-right」のような湿地の言葉 |
| 種族、生物、呪文、信仰 | 非表示 | この物語ではまだどれも必要ない |
| 家系図、年表、メモ | 残す | 下記参照 |
登場人物を入力する前にフィールドテンプレートを決める#
各セクションには、それぞれフィールドテンプレートがあります。そのセクションで新しく作る記録すべてが最初から持つ、プロフィールのフィールドです。用意されたフィールドを選ぶことも、自分で作ることもでき、型にはテキスト、数値、日付、選択肢、チェックボックス、関係などがあります。テンプレートの変更はそれ以降にだけ適用され、既存の記録が変わることはありません(アップデート情報)。だからこそ、この手順は20人の登場人物を入力する前に済ませておきます。無料プランでは、1件の記録につき20個までカスタムフィールドを作れます(料金プラン)。
テンプレートは、執筆中に浮かぶ疑問の数だけに絞って短く保ちましょう。『The Fen Toll』では、「登場人物」に四つのフィールドを設けます。
登場人物:フィールドテンプレート
役割 選択肢:門番、番人、商人、船頭
初登場 テキスト:章番号
ギルド 関係:「番人とギルド」の記録
台帳に借りがある チェックボックス
関係のフィールドは双方向に機能するので、自分で追加しなくても、ReedwardensのページにはEdricが表示されます。どの記録にも、名前、概要、リッチテキストの本文があります(仕組みに関するFAQ)。クイック検索は概要を読み取るので、概要は丁寧に書きましょう。
名前か@を入力して記録をリンクする#
どんな文章の中でも、記録の名前を入力すればYazar.ioがリンクにします。@を入力して一覧から記録を選ぶこともできます。どのページにも、Linked pages(リンクされたページ)というラベルのバックリンクパネルがあり、そのページに言及しているものが表示されます(機能紹介)。「メモ」の中の名前も同じようにリンクされます(アップデート情報)。準備の手間に見合う価値があるのは、この機能です。普通の文を書いていくだけで、つながりが自然にできあがっていきます。
推敲の段階で、これがどう役立つかを見てみましょう。原稿の半ばで、Drowning Ledgerを管理しているのはReedwardensではなく市場のギルドだと決めたとします。何かを書き換える前に、Ledgerのページを開いてバックリンクパネルを確認します。Tamsinの項目、Hale船長の項目、Weir Gate、そして第12章についてのメモが、Ledgerに言及しています。まずLedger自体の項目を直し、それからその一覧を上から順に片付けていきます。
パネルが把握しているのは、記録の名前を使った文章だけです。Agatheの項目に「借金の帳面」と書いた一文があっても、そこには表示されません。ある事実がほかの記録に依存しているなら、どこであってもその記録の名前を書くか、@でリンクしましょう。
家系図と年表を作る#
家系図#
すべての登場人物は、「家系図」にノードとして表示されます。ノードを別のノードにドラッグしてつなぎ、つながりをクリックすると、その種類を変えたり削除したりできます。家系図で設定した関係は登場人物のプロフィールに表示され、プロフィールで設定した関係は家系図に表示されます(家系図)。関係の種類は、母、父、子、配偶者、きょうだいです。Sallow Fenでは、AgatheがTamsinとEdricの母で、二人はきょうだいです。
Edricの本当の父親は物語終盤の種明かしなので、wikiに何を見せるかを決めるまで、そのつながりは家系図に入れずにおきます。血筋が争われる場合や継承については、王家の家系図の作り方をご覧ください。
年表の出来事#
年表の出来事には、タイトル、自由な形式で書く日付、短いメモを入れます。ですから「第三の洪水、春」でも、どんな暦でも同じように使えます。年表は一本の一覧です。出来事はドラッグして動かし、並行する筋があれば、必要に応じて出来事のタイトルで区別します(年表)。その出来事に関わる登場人物と、それが起きる場所を加えましょう。すると、各登場人物と場所のページに、その出来事が時系列順に一覧表示され、クリックするとそこへ移動できます(アップデート情報)。
「堰が決壊する」という出来事を、AgatheとEdricを参加者、Weir Gateを場所として追加すれば、三つのページすべてに順を追って表示されます。日付は自由な形式なので、その春のEdricの年齢といった計算は、引き続き自分で行います。その順序の組み立て方は、年表のガイドで解説しています。
未解決の問いを「メモ」で管理する#
「メモ」には、まだ決まっていないことを何でも置いておけます。メモにはそれぞれ、Scene Idea(場面のアイデア)、Character Note(人物メモ)、Plot Idea(プロットのアイデア)などの種類と、「アイデア」「進行中」「使用済み」「要確認」「アーカイブ済み」のステータスがあります。メモの中で登場人物に触れると、そのメモはその人物のページに表示されます(ストーリーメモ、アップデート情報)。メモの数は、どちらのプランでも無制限です(料金プラン)。
「AgatheはEdricの父親が誰か知っているのか」は、まずPlot Ideaとして「アイデア」のステータスで始まります。第19章を書いているあいだは「進行中」、その場面が本文に載ったら「使用済み」、推敲で位置が変わったら「要確認」に移します。ステータスを使えば、メモが説明過多にならない設定の出し方のための計画になります。
秘密を公開wikiに出さない#
どの本も、Book Settingsから閲覧専用のwikiにでき、公開範囲はPrivate、Unlisted、Public(非公開、限定公開、公開)から選べます。パスワードを追加できます(Wikiを誰が見られるか)。表示するセクションを選べ、個々の記録を非表示にすることもできます(wikiの詳細)。「メモ」が含まれることはありません。「年表」は公開でき、初期状態ではオフです(wiki、アップデート情報)。
| 『The Fen Toll』の素材 | 置き場所 | wikiに出るか |
|---|---|---|
| Edricの本当の父親 | 第19章が確定するまではメモ | 出ない:メモは共有されない |
| 誰がいつLedgerのことを知るか | 年表の出来事とそのメモ | 年表をオンにしたときだけ。初期状態ではオフ |
| Hale船長の項目 | 「登場人物」。秘密はほのめかさない | 「登場人物」を表示する場合のみ |
| 家族のつながり | 「家系図」。母ときょうだいの関係だけ | 家系図を表示する場合のみ |
| まだ決めていない記録 | wikiでは非表示 | 非表示のあいだは出ない |
ここから導かれるルールはこうです。読者にまだ知られたくないことはメモに置きます。メモは共有されないからです。あるいは、その記録を非表示にしておきます。出来事が本のネタバレになるなら、年表はオフのままにしてください。リンクを共有する前に、読者と同じ立場でwikiを開いてみましょう。
書き出しと、本のそばに残るもの#
Book SettingsのExport(書き出し)から、本全体をダウンロードできます。形式は、記録ごとに読みやすいファイルを1つずつまとめた.zipのMarkdownか、JSONです。どちらにも、メモ、年表、記録同士のつながりが含まれます(書き出しに関するFAQ)。原稿を最後まで書き上げるたびに書き出し、原稿のファイルと一緒に保管しておきましょう。 Yazar.ioは、項目の説明、メモ、カスタムフィールドの値をAES-256-GCMで暗号化して保存します(プライバシー)。
Yazar.ioが扱うのは物語の背景にある世界なので、原稿はWordやGoogleドキュメントに残します(機能紹介)。場所は文章とフィールドに置きます。地図はほかのツールで、困難な旅から描き始めましょう。記録を持つのは一つのアカウントで、読者はwikiを使います。既存の設定資料集を移す場合、インポートはないので、入力し直すか貼り付けます(オフライン利用に関するFAQ)。クイック検索(Ctrl+KまたはCmd+K)は、開いている本の中で機能します(アップデート情報)。無料プランは本2冊、各エンティティの種類ごとに編集できる記録15件までです。「用語集」「年表」「メモ」「引用」は無制限です。アカウントが無料プランに戻った場合、上限を超えた記録は閲覧と書き出しはできますが、読み取り専用になります。Yazar Proは月額$6.99または年額$54.99で、2026年10月21日にYazar.ioチームが確認しました。料金ページには現地通貨が表示され、価格は地域によって異なることがあります。
単巻ものとシリーズものでの準備#
本はそれぞれ独立したワークスペースです。本同士で自動的に共有されるものはないため、記録は手作業で移す必要があります(仕組みに関するFAQ)。これと、検索が1冊の本の中に限られることが、選択を左右します。
| 設定 | 単巻もの | シリーズもの |
|---|---|---|
| Yazar.ioの本 | 小説1作につき1冊 | シリーズ全体で1冊。検索とリンクがすべての巻に届く |
| フィールドテンプレート | 役割、初登場の章、主な関係 | 「初登場」に巻を加え、読者が知っていることのフィールドも設ける |
| 年表の日付 | 世界の暦に沿った自由な形式 | 「第2巻、第三の洪水」のように、日付の頭に巻を付ける |
| wiki | 刊行後に公開するか、公開しない | 後の巻で明かす秘密を含む記録は非表示にする |
| プラン | 登場人物が多くなければ無料プランで足りることも | 各セクション15件の編集可能な記録はすぐに埋まる。Proでは記録数が無制限とされている |
シリーズものには、出典、読者が知っていることの記録、決まった更新のタイミングも必要です。どのツールにも当てはまるこうした習慣は、シリーズの設定資料集の作り方で解説しています。
準備でよくある失敗#
| 失敗 | 対策 |
|---|---|
| 登場人物を入力してからテンプレートを設計する | まず2、3件の記録でフィールドを試す。テンプレートの変更は既存の記録に反映されない |
| 提案されたセクションをすべて開いたままにする | 物語で使わないものは非表示にする。非表示にしても記録は残る |
| 名前を書かずに記録について説明する | 名前を書くか@を使う。そうしないとバックリンクパネルに言及が表示されない |
| wikiに表示される記録に種明かしを書く | メモに書くか、その記録をwikiで非表示にする |
| シリーズの巻ごとにYazar.ioの本を作る | シリーズで1冊にし、検索とリンクが全体に届くようにする |
| 書き出しを往復できるものとみなす | 書き出しは閲覧とバックアップ用のコピー。インポート機能はない |
まだツールを比較している段階なら、世界観設定ツールのおすすめで、Yazar.ioをObsidian、World Anvil、Campfireと作業別に比べています。
出典
- Yazar.io: Features · 2026年10月21日
- Yazar.io: Plans and limits · 2026年10月21日
- Yazar.io: Product updates · 2026年10月21日
- Yazar.io: Shareable wiki · 2026年10月21日
- Yazar.io FAQ: What can I organize in yazar.io? · 2026年10月11日
- Yazar.io FAQ: Can I rename sections to fit my own universe? · 2026年10月11日
- Yazar.io FAQ: How does worldbuilding work in yazar.io? · 2026年10月11日
- Yazar.io FAQ: Can I export my data? · 2026年10月11日
- Yazar.io FAQ: Can I use yazar.io without an internet connection? · 2026年10月11日
- Yazar.io: Family tree · 2026年10月11日
- Yazar.io: Timeline · 2026年10月11日
- Yazar.io: Story notes · 2026年10月11日
- Yazar.io: Shareable wiki visibility and sections · 2026年10月11日
- Yazar.io: World Anvil vs yazar.io · 2026年10月11日
- Yazar.io: Worldbuilding software for game writers · 2026年10月11日
- Yazar.io: Privacy policy · 2026年10月21日
- Yazar.io: Who can see my Shareable Wiki? · 2026年10月21日